アドバイス集 Q09-開発部-

特活指導者が運動会の指導を進めると、子どもたちはどう育つのか?

学校行事は、日ごろの学校生活以上に子どもが成長するチャンスです。集団の中で、認め合い、協力し合い、切磋琢磨することを通して、一人一人の資質や能力をさらに伸ばすことができると考えます。

行事の指導では、指導者が先頭に立って計画・立案することが考えられますが、子どもが主体的に学校行事に参画できるよう、子どもが活動できる場や時間を指導者が設けることも大切です。指導者主体となって行っていくだけではなく、子ども一人一人に役割があり、一人一人が責任もって役割を果たしていくことで、行事が終わった後に「自分がこの行事をつくりあげたのだ」という達成感が生まれると思います。

たとえば、運動会の指導で考えてみた時に、こんな準備の方法もできます。準備や練習に取り組む際に、子どもにいきなり練習に取りかからせるのではなく、事前の活動としてねらいや内容を説明したり、運動会に向けての目標を子どもに考えさせたりすることができます。また、練習の工夫についても話合い活動を通して子どもと考えることで、子どものアイデアにあふれた準備や練習が展開されるでしょう。準備や練習では、子ども一人一人に役割があるようにし、どんな役割が必要か話し合ってもよいと思います。さらに、事後の活動では事前に立てた目標を振り返ったり、がんばった役割について認め合ったりことができます。

このように、特活指導者が運動会の指導をすると、きめ細かい指導をすることができ、こうしたことで子ども自身が行事での成長を実感できると考えます。

特活指導者が運動会応援団を担当した場合

私が運動会応援団を担当した当時の勤務校の実態は、非常に子どもが荒れており、常に学年内や学年間でトラブルが絶えませんでした。そこで、どんな活動をすれば全校のみんながひとつになれるかを考え、その工夫を活動に取り入れました。それは、全校で運動会に集中して取り組めるよう、全校からスローガンを募集し、そのスローガンのポスターや横断幕を全校のみんなでつくることでした。こうした事前の活動のおかげで、子どもも自分も活動にかかわれているという実感をもつことができ、本番もスローガンを意識して運動会を楽しむことができました。一人一人が演技に集中し、他学年の演技を食い入るように観覧していました。これらの活動を続ける中で、年々、少しずつ子どもが成長し、落ち着いて生活することができるよ うになりました。

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