アドバイス集 Q05-開発部-

特活指導者が係活動を進めると、子どもたちはどう育つのか?

特活指導者が係活動を進めるときには、児童の発想や主体性を大切にし、学級のみんなに役立っているかどうかを重視します。

係活動はどの学級でも行われていると思いますが、一度係を立ち上げたら、次の係を決める時期まで、たとえ活動が停滞していても、そのまま係活動を続けて行っていませんか。

特活指導者が係活動を行うときには、定期的に係活動の成果や改善点などについて振り返ります。そして、話合いの結果、活動が重複している係があれば合併し、活動が停滞して学級への貢献度が著しく低い係は、他の係からアドバイスをもらって改善し、継続したり、場合によっては解散したりし、その係のメンバーは他の係へ移ります。場合によっては、途中で新しい係が生まれることもあります。会社が合併したり、倒産したりするのと非常に良く似ています。

係活動は、その係活動を行っている子どもたちも、学級の他の子どもたちも楽しくなくてはなりませんが、「楽しい」と同時に、その係活動が学級や他の子どもたちに「役立っていること」が大切です。ただ楽しい、ただ面白いだけでなく、学級のためになっているというこの役立ち感こそが係活動の本質なのです。そして、この役立ち感とは、自分が学級に役立つ活動だと思っているだけでなく、周りの子どもたちもそう思っている必要があるのです。

係を編成し、ねらいをもって活動計画を立て、係活動を行い、係活動を振り返るという流れに沿って係活動を行うことで、子どもたちは、自分や友達の願いを理解し、それを生かしていくことの大切さに気付いたり、「みんなの役に立っているんだ。みんなもそれを認めてくれたんだ。」と実感したりすることができます。

「先生、係の活動をしてもいいですか?」といった声が、給食の準備などの時間に子どもたちから聞かれるようになるといいと思います。

<係活動指導評価法の一例>

係活動は、学級のみんなの役に立つ活動であり、かつ自発的、自主的な活動で なくてはなりません。そこで、自分以外の全ての級友の取り組みが、学級のみんなの役に立ったかどうかを、「とても役だった;4」「役だった;3」「あまり役立たなかった;2」「役立たなかった;1」で評価させてみました。

「認める-認められるの相関」グラフ自分が他の級友全員に対して行った評価の合計点を「認める」として横軸に、他の級友全員から自分に対して行われた評価の合計点を「認められる」として縦軸にプロットしたのが、「認める-認められるの相関」グラフです。

他者を認める度合いの大きい生徒は、他者からも認められる度合いが大きいという相関があることが分かります。また、「学級のみんなの役に立つ係活動」を目標として日々の活動に取り組ませることにより、プロットの集合は右上方向に向上を図ることができると共に、その分散も凝集する傾向にあることが分かりました。

活動後の一人一人の変化と共に、学級集団の変化も読み取ることができる、係活動の指導の評価方法の一つともいえると考えます。

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