アドバイス集 はじめに-開発部-

はじめに

私たち特別活動を学ぶ者は、将来の日本を背負って立つ子どもたちが、どんな大人として社会に貢献できるようになってほしいと考えているのでしょう。

学習指導要領特別活動の目標として、次のように記載されているのはだれもが承知していると思います。

「望ましい集団活動を通して、心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図り、集団や社会の一員としてよりよい生活や人間関係を築こうとする自主的、実践的な態度を育てるとともに、○○○○を深め、自己を生かす能力を養う。」

※ 「○○○○」の部分には、
小学校は 「自己の生き方についての考え」、
中学校は 「人間としての生き方についての自覚」、
高等学校は「人間としての在り方生き方についての自覚」
を入れて読み替えてください。

ある意味ここに記載された小中高における特別活動の目標の延長線上に、私たちが育てていきたい若者像が存在しているととらえることができると思います。

例えば、私たちの周りにも学区の様々な取り組みに対し、真摯に地域の発展を願い、手弁当で取り組んでいる人たちがたくさんいます。こうした人たちは、あるときは自分の得意な分野でリーダーシップを発揮したり、あるときはフォロワーとして地域のリーダーを支えたりしながら、奉仕的な精神をもって生き生きと活躍しています。こうした姿は、私たち特活を指導している者にとって、子どもたちに学ばせていきたい生き方といえるのではないでしょうか。

一方で、特活は、学習指導要領に目標として示された一文の中に、多岐にわたる内容を含んでいます。また、活動場面も、学級活動・児童生徒会活動・学校行事などと多様であるという特質もあります。そのため、「特活って何?」という素朴な質問に、説得力のある答えを簡潔に言うのが難しいという側面をもっています。

開発部では、「特活って何?」あるいは「特活研究ってどう進めるの?」といった疑問に対し、長く特活指導にあたってきた先輩から、今あるいはこれから取り組んでいこうとする人たちへのアドバイス集ができないかと思い立ちました。そして、これを通して「特活って何?」「特活研究ってどう進めるの?」という命題に答えることはできないだろうかと考えました。

そこで、特活に積極的に取り組んできた先生とそうでない先生とでは、特活の各領域の指導で子どもたちの育ちにどんな違いがあらわれるのか、教科指導や道徳指導など、特活以外の教育活動では、視点の違いによってどんな点が異なってくるのか、そしてそれがどんな子どもたちの育ちとなってあらわれてくるのかについて、Q&Aの形式で考えてみました。

本実践研究会で活躍された先輩諸氏の遺伝子が、若い研究者のみなさんに引き継がれていく、そんな一助にすることができたなら幸いに思います。

次ページへ
Q01 特活で育てることができる子ども像とはどんなものか?

目次へ
目次ページ

Copyright (C) 2012-2016 名古屋市特別活動実践研究会 , All rights reserved.
omo